ソーラーリターンとは?基本の意味と仕組みをわかりやすく解説
ソーラーリターン(太陽回帰)の定義
ソーラーリターンとは、空を移動し続けるトランジットの太陽が、あなたが生まれたときの太陽とまったく同じ黄道上の度数に戻ってくる瞬間のことです。日本語では「太陽回帰」と呼ばれ、その瞬間のホロスコープを「ソーラーリターン図(太陽回帰図)」または「ソーラーリターンチャート」と呼びます。
例えば、あなたの出生図で太陽が射手座20.32度にあるとしましょう。毎年、トランジットの太陽が射手座20.32度ぴったりに到達する瞬間がソーラーリターンです。この瞬間のチャートを読み解くことで、次の誕生日までの約1年間のテーマや運勢の傾向を把握できます。ネイタルチャート(出生図)が「人生全体の設計図」だとすれば、ソーラーリターン図は「その年の年間カレンダー」のようなものだとイメージするとわかりやすいでしょう。
誕生日とソーラーリターンの日がずれる理由
初心者の方がまず驚くのが、「ソーラーリターン=誕生日」ではないという事実です。実は、ソーラーリターンの正確な日時は誕生日の前後1日ほどずれることがあります。
その理由は、地球が太陽の周りを一周するのにかかる時間がぴったり365日ではなく、約365.2422日だからです。この端数のずれを調整するためにうるう年が設けられていますが、それでも毎年微妙な差が生じます。そのため、太陽が出生時の正確な度数に戻るタイミングは、年によって誕生日の前日だったり翌日だったりするのです。
たとえば12月10日生まれの方のソーラーリターンが、ある年は12月9日の夜23時に起こり、別の年は12月11日の早朝3時に起こるといったことは珍しくありません。ソーラーリターン図を正確に作成するには、天文暦に基づいた計算が不可欠であり、「誕生日のチャートを出せばOK」ではない点をしっかり押さえておきましょう。
春分図で理解するソーラーリターンの仕組み
ソーラーリターンの概念をもっと身近に感じるために、「春分図」との関係を見てみましょう。春分図とは、毎年3月20日〜21日頃にトランジットの太陽が牡羊座0度に到達する瞬間のホロスコープです。占星術では、春分図はその国や世界全体の1年間の動向を読むために古くから使われてきました。
実はこの春分図、考え方としてはまさに「牡羊座0度のソーラーリターン」です。太陽が特定の度数に戻る瞬間のチャートからその後の1年を読み解くという構造は、個人のソーラーリターン図とまったく同じなのです。
春分図が「世界全体の年間テーマ」を示すのに対して、あなた個人の太陽回帰ホロスコープは「あなただけの年間テーマ」を示してくれます。こう考えると、ソーラーリターンは決して難解な特殊テクニックではなく、占星術の基本原理に根ざしたシンプルで強力な手法だとわかるのではないでしょうか。
ソーラーリターン図(太陽回帰図)の作成方法|無料サイトでの出し方
ステップ1:Astro.com(アストロディーンスト)にアクセスし出生データを登録する
ソーラーリターン図の作成には、無料で高機能な占星術サイト「Astro.com(アストロディーンスト)」を使うのが最もおすすめです。プロの占星術師も愛用するサイトで、日本語にも対応しています。
まずはAstro.com(https://www.astro.com)にアクセスし、上部メニューから「マイ・アストロ」を選択してゲストユーザーとしてログインするか、無料アカウントを作成しましょう。アカウントを作ると出生データが保存されるので、繰り返し使う方には登録がおすすめです。
次に「出生データの入力」から、自分の名前・生年月日・出生時間・出生地を正確に入力します。出生時間は母子手帳などで確認できる正確な時間を入れてください。太陽回帰ホロスコープではアセンダントやハウスの計算に出生時間が大きく影響するため、ここが最も重要なステップです。
ステップ2:「チャート描画」からソーラーリターン図を選択・出力する
出生データの登録が完了したら、上部メニューの「ホロスコープ各種作成」から「出生図、ソーラーリターンなど」を選びます。
表示されたページで「チャートタイプ」のプルダウンメニューを開き、「ソーラーリターン(太陽回帰図)」を選択してください。すると、直近のソーラーリターン図が自動的に表示されます。過去や未来の年のソーラーリターンチャートを見たい場合は、「開始日」の欄に確認したい年の誕生日前後の日付を入力すれば、その年のチャートが生成されます。
たとえば、2025年のソーラーリターン図を見たいなら、開始日に「2025年」の自分の誕生日付近の日付を入力します。サイトが自動的に太陽が出生時と同じ度数(例:射手座20.32度)に戻る正確な瞬間を計算してくれるので、手動で計算する必要はありません。
ステップ3:出生地と現住所が異なる場合の設定方法
ソーラーリターン図の作成で初心者が迷いやすいポイントが「場所の設定」です。出生地と現在住んでいる場所が異なる場合、どちらを選ぶかでアセンダントやハウスの配置が変わります。
Astro.comでは、ソーラーリターン図の作成画面に「場所」を入力する欄があります。ここに現在の居住地を入力すると、その土地でのソーラーリターンアセンダントが計算されます。一方、出生地のままにすると、出生地を基準としたチャートが出力されます。
占星術の流派によって見解は分かれますが、「実際にソーラーリターンの瞬間に自分がいる場所」で作成するのが現代西洋占星術では一般的です。引っ越しをしている方は現住所で作成してみましょう。両方で作成して比較するのも、ソーラーリターンの読み方を深める良い練習になります。
出生時間が不明な場合の対処法
出生時間がわからない場合でも、ソーラーリターン図の作成自体は可能です。一般的な対処法としては、出生時間を「12:00(正午)」に設定して算出する方法があります。太陽の度数は1日で約1度しか動かないため、太陽が出生位置に戻る日付自体は大きくずれません。
ただし注意点として、出生時間が不明だとアセンダントとハウスの配置が正確に出せません。この場合は「ソーラーサインハウスシステム」を活用する方法があります。これは太陽のサインを1ハウスの起点として読む方法で、ハウスの正確な度数に依存しないため、出生時間不明でも一定の精度で1年のテーマを把握できます。
とはいえ、ソーラーリターン図はハウスの意味が特に重要なチャートです。可能であれば母子手帳や出生届の記録をあたり、少しでも正確な出生時間を確認することをおすすめします。
ソーラーリターン図の読み方|チェックすべき6つの重要ポイント
ポイント①:ASC(アセンダント)でその年の「メインテーマ」を読む
ソーラーリターン図の読み方で最初にチェックすべきは、ASC(アセンダント)のサインです。アセンダントはその1年間をどんな姿勢・スタンスで過ごすかを象徴しており、いわば「年間テーマの看板」にあたります。
たとえば、ソーラーリターンのアセンダントが牡羊座なら「自発的に新しいことを始める1年」、天秤座なら「パートナーシップや人間関係が主役になる1年」といった具合です。出生図のアセンダントとは異なるサインになることがほとんどなので、毎年の変化を追うだけでも面白い発見があります。
さらに重要なのが、ASCへのアスペクトです。もしソーラーリターン図の天体がASCに対してコンジャンクションやスクエアなどタイトなアスペクトを形成していれば、その天体のエネルギーが1年を通じて強く働きます。たとえば火星がASCにコンジャンクションしていた年は、行動力が爆発的に高まる反面、衝突やケガに注意が必要なこともあります。
ポイント②:MC(エムシー)で社会的に目立つ出来事を予測する
MC(ミッドヘブン)は社会的な到達点やキャリアの方向性を示すポイントです。ソーラーリターン図でMCに天体が集中していたり、タイトなアスペクトが形成されていたりする年は、仕事や社会的立場に大きな変化が起きやすい傾向があります。
実際の検証例として、MCに木星がコンジャンクションしていた年に昇進した方や、土星がスクエアを形成していた年に転職を余儀なくされた方のケースが多く報告されています。MCへのアスペクトは「周囲から見て明らかにわかる変化」として現れやすいため、ASCと合わせて最優先で確認しましょう。
ポイント③:太陽のハウス位置で1年の活動フィールドを特定する
太陽回帰図における太陽のハウス位置は、その1年間でエネルギーを最も注ぐ分野を示します。ソーラーリターンの太陽は常にネイタルの太陽と同じ度数にありますが、ハウスは毎年変わるため、ここが読み方の重要なポイントになります。
具体例を挙げると、太陽が3ハウスに入った年は「学びやコミュニケーションに集中する1年」になりやすく、実際に資格取得や執筆活動に打ち込んだという報告が目立ちます。7ハウスなら結婚やビジネスパートナーとの関係がテーマに、10ハウスならキャリアや社会的達成が前面に出てきます。まずは太陽が何ハウスにあるかをチェックして、1年間の活動フィールドの全体像を掴みましょう。
ポイント④:月のハウス位置で心の動き・感情的テーマを読む
太陽が「外的な活動テーマ」を示すのに対し、月は「内面的・感情的なテーマ」を映し出します。ソーラーリターンチャートの月がどのハウスにあるかで、その年に心が向かう方向や、満たされたいと感じるニーズがわかります。
月が4ハウスにあれば家庭や居場所に安心を求める年、12ハウスにあれば一人の時間や内省が必要になる年です。また月のサインも大切で、火のサイン(牡羊座・獅子座・射手座)にあれば情熱的にアクティブな感情状態、水のサイン(蟹座・蠍座・魚座)にあれば繊細で感受性が高まる傾向が読み取れます。太陽と月の両方をセットで確認すると、その年の「行動面」と「心理面」の全体像が見えてきます。
ポイント⑤:タイトなアスペクト(オーブ1.5〜2度以内)を見逃さない
ソーラーリターン図の読み方で中級者以上が意識すべきなのが、天体同士のタイトなアスペクトです。出生図ではオーブ(許容範囲)を6〜8度まで取ることもありますが、ソーラーリターン図ではオーブ1.5〜2度以内のアスペクトを優先的に読むのが鉄則です。
オーブが狭ければ狭いほど、その天体同士の相互作用は強力に現実に現れます。たとえば金星と冥王星がオーブ0.5度でスクエアを形成していた年に、恋愛で劇的な出会いや別離を経験したというケースは少なくありません。逆にオーブが5度以上離れているアスペクトは、影響が弱いと判断して読みを簡略化してかまいません。まずはタイトなアスペクトだけを抜き出し、そこに焦点を絞ると読みがブレにくくなります。
ポイント⑥:インターセプトされたサインの意味を理解する
ソーラーリターン図では、特定のサインがハウスのカスプに現れず、ハウスの内側に丸ごと「飲み込まれた」状態になることがあります。これをインターセプト(遮蔽)と呼びます。
インターセプトされたサインのエネルギーは、その年において表面に出にくい・発揮しにくいテーマを意味します。たとえば牡牛座がインターセプトされていれば、金銭面や物質的安定を意識しつつもなかなかスムーズに進まない可能性があります。逆に言えば、年の後半に向けて意識的に取り組むことでブレイクスルーが生まれやすいテーマでもあります。
ソーラーリターン図の読み方として、まずはASC・MC・太陽・月の4つを押さえ、次にタイトなアスペクト、最後にインターセプトという順番で分析すると、初心者でも体系的にチャートを読み解くことができます。太陽回帰ホロスコープは1年分の地図です。6つのポイントを意識するだけで、その精度はぐっと上がるはずです。
ソーラーリターン図の各ハウス別テーマ一覧|1〜12ハウスの意味
太陽が入るハウスで「1年間の主役テーマ」がわかる
ソーラーリターン図で最も重要なのは、太陽がどのハウスに入っているかです。太陽は「その年のエネルギーが最も集中する場所」を示すため、1年間の主役テーマがひと目でわかります。以下に、太陽回帰図における1〜12ハウスの意味を一覧でまとめます。
【1ハウス】自分自身の再定義・新しい自己像の確立。外見や印象を変えたくなる年。
【2ハウス】収入・お金・所有物がテーマ。経済基盤を固める1年。
【3ハウス】学び・コミュニケーション・近距離の移動。資格取得や発信活動に縁がある。
【4ハウス】家庭・住環境・ルーツ。引っ越しや家族関係の見直しが起きやすい。
【5ハウス】恋愛・創造性・趣味・子ども。自己表現が花開く華やかな年。
【6ハウス】健康管理・仕事の効率化・日常のルーティン改善がテーマ。
【7ハウス】パートナーシップ・対人関係。結婚や重要な契約に縁がある。
【8ハウス】深い変容・共有財産・相続。心理的に大きく生まれ変わる年。
【9ハウス】海外・高等教育・哲学・冒険。視野が大きく広がる1年。
【10ハウス】キャリア・社会的地位・達成。仕事面で注目を浴びやすい。
【11ハウス】友人・コミュニティ・未来のビジョン。人脈が大きく動く年。
【12ハウス】内省・スピリチュアル・手放し。表に出るよりも内面を深める静かな1年。
この一覧をブックマークしておけば、毎年のソーラーリターンチャートを読むたびに繰り返し活用できます。
木星・土星が入るハウスで「発展」と「試練」の分野を読む
ソーラーリターン ハウス 意味を読み解くうえで、太陽の次にチェックしたいのが木星と土星の配置です。この2天体はいわば「アクセル」と「ブレーキ」の役割を果たします。
木星が入るハウスは、その分野に拡大・幸運・成功のエネルギーが流れ込みます。たとえば木星が2ハウスに入っていれば収入アップのチャンスが広がり、9ハウスなら海外との縁や学びの機会が豊富にやってきます。実際に筆者のクライアントで、ソーラーリターン図の木星が10ハウスに入った年に昇進を果たした方がいました。
一方、土星が入るハウスは試練・責任・忍耐が求められる分野です。ただし「不幸になる」という意味ではなく、「腰を据えて取り組めば確かな成果が残る」領域だと考えてください。土星が7ハウスに入った年にパートナーとの関係を真剣に見直し、結果的に絆が深まったというケースは非常に多いです。
ソーラーリターン図の読み方に慣れてきたら、木星と土星のハウスをセットで確認する習慣をつけましょう。「どこに追い風が吹き、どこで地固めが必要か」が一目瞭然になります。
金星・火星などの個人天体がASC・MCと重なるときの読み方
ソーラーリターン図のリーディングをさらに深めたいなら、個人天体(金星・火星・水星など)がソーラーリターン アセンダント(ASC)やMC(天頂)とコンジャンクション(合)している場合に注目してください。ASCやMCは図のなかでも特に影響力が強い感受点で、ここに天体が重なると1年を通じて目立った影響が表面化します。
金星がASCにコンジャンクションしている年は、人から好かれやすく、恋愛や美容面で嬉しい出来事が起こりやすくなります。一方、火星がASCに重なると、行動力が爆発的に高まる反面、衝動的になりやすいため注意が必要です。
MCとのコンジャンクションは社会的な場面に強く影響します。金星がMCと合なら、仕事で評価されたり人気が高まったりする年に。火星がMCと合なら、キャリアにおいて攻めの姿勢が功を奏しますが、職場でのトラブルにも用心しましょう。
オーブ(許容度)は3度以内を目安にしてください。太陽回帰ホロスコープを読む際は、まず太陽のハウス木星・土星のハウスASC・MCへのコンジャンクション、という3ステップで確認すると、初心者でも体系的にリーディングできるようになります。
ソーラーリターンの有効期間と影響の出方|いつからいつまで?
基本の有効期間は「誕生日から次の誕生日まで」の1年間
ソーラーリターンの有効期間は、原則として「太陽が出生図と同じ度数に戻った瞬間から、翌年ふたたび同じ度数に戻る瞬間まで」の約1年間です。たとえば2024年のソーラーリターンが11月25日14時32分に起きた場合、そこから2025年の11月25日前後に次のソーラーリターンが起きるまでが、そのチャートのテーマが色濃く現れる期間となります。
ここで注意したいのは、ソーラーリターンは誕生日ちょうどではなく「太陽が正確な度数に戻る瞬間」が基準だという点です。そのため有効期間のスタート地点は毎年数時間〜最大1日程度ずれます。太陽回帰ホロスコープを読む際は、まずこの正確な日時を把握することが第一歩です。
約3か月前から次の影響が混ざり始める「移行期間」の考え方
実際にソーラーリターン図を何年も検証していくと、「誕生日の3か月くらい前から、次のソーラーリターンのテーマが顔を出し始める」という感覚を持つ占星術実践者は少なくありません。これは、太陽が出生図の太陽と90度(スクエア)を形成する時期にあたり、1年の転換点としてエネルギーの切り替わりが起こりやすいタイミングだからです。
たとえば11月末が誕生日の人であれば、8月末〜9月頃から翌年のソーラーリターン図のテーマがうっすらと感じられることがあります。「今年のテーマが徐々にフェードアウトし、来年のテーマがフェードインする」というグラデーションのようなイメージを持つとわかりやすいでしょう。
この移行期間を知っておくと、ソーラーリターン図の読み方がより実践的になります。「去年のチャートではうまく説明できないけれど、来年のチャートを先に出してみたらぴったり当てはまった」という経験は、検証を重ねるほど増えていくはずです。
前年のソーラーリターン図と比較して精度を高める方法
ソーラーリターンチャートの読み解き精度をさらに高めたいなら、「今年の図だけを見る」のではなく「前年の図と並べて検証する」習慣をつけるのがおすすめです。具体的には、前年のソーラーリターン図を出し、その1年間に実際に起きた出来事やテーマと照らし合わせてみましょう。
たとえば前年のソーラーリターン図で3ハウスに天体が集中していた人が「その1年は資格の勉強と発信活動に集中していた」と振り返れたなら、3ハウス=学び・コミュニケーションというハウスの意味が体感として腑に落ちます。この「答え合わせ」のプロセスを経ることで、今年のソーラーリターン図を読む目が格段に鋭くなるのです。
検証のコツは、ソーラーリターン図のアセンダントのサインとハウスに入っている天体を中心にチェックすること。アセンダントはその1年の「自分の打ち出し方」を象徴するため、生活全体のトーンと一致しやすい要素です。過去2〜3年分を一気に検証すると、ソーラーリターン図の信頼性を自分自身で確認でき、今年のチャートをより自信を持って活用できるようになります。
ソーラーリターンの日の過ごし方と誕生日前後の注意点
ソーラーリターンの瞬間に「やりたいこと」をして過ごすべき理由
ソーラーリターンの日の過ごし方として、占星術の世界では「その瞬間に何をしているかが、1年間のテーマに影響する」と考えられています。これは、ソーラーリターンチャートがまさにその瞬間のホロスコープとして作成されるためです。太陽が出生時とまったく同じ度数に戻る瞬間——たとえば射手座20.32度に太陽が重なるその時——に、あなたがどこで何をしているかによって、ソーラーリターン図のアセンダントやハウス配置が変わります。
つまり、ソーラーリターンの瞬間に「今年1年頑張りたいこと」を実際に行動に移していると、そのエネルギーがチャート全体に反映されると考えられているのです。たとえば、創作活動に力を入れたい年なら絵を描いたり文章を書いたりする、人間関係を大切にしたい年なら大切な人と一緒に過ごす、といった具合です。
実際に筆者の知人は、独立を目指していた年のソーラーリターンの日に、あえてビジネスプランの作成に時間を費やしたそうです。その年は実際に起業が実現し、「偶然かもしれないけれど、意識的に過ごしたことで気持ちにスイッチが入った」と語っていました。科学的な根拠というよりも、自分自身への宣言として非常に有効なのです。
誕生日前後は運気が切り替わる時期——平穏に過ごすコツ
ソーラーリターンは誕生日とほぼ同時期に訪れますが、厳密には誕生日当日とは限りません。前日や翌日にずれることもあるため、「誕生日前後の数日間」を一つの切り替え期間として意識しておくのがおすすめです。
占星術では、この時期は前年のソーラーリターン図のエネルギーが終わり、新年のエネルギーへと移行するタイミングとされます。いわば「個人的な年末年始」にあたるため、運気の変動が起きやすい時期です。大きな決断や新しいプロジェクトの開始は、できればこの数日間は避けたほうが無難でしょう。
具体的には、以下のような過ごし方が推奨されます。
・前年1年間を振り返り、感謝や手放しの時間をつくる
・無理なスケジュールを入れず、心身を休める
・争いごとやストレスの多い環境からなるべく距離を置く
・ソーラーリターンの正確な時刻を事前に調べておき、その前後は静かに過ごす
特に太陽回帰ホロスコープで火星や土星がアセンダント付近に来ている年は、誕生日前後にトラブルが表面化しやすいとも言われます。あらかじめチャートを確認しておけば、心構えができるのでおすすめです。
ソーラーリターンを「個人的な元旦」として活用する実践テクニック
ソーラーリターンの読み方を学んだら、ぜひ「個人的な元旦」として1年の目標設定に活用してみてください。一般的な1月1日の目標設定がしっくりこない方にとって、自分だけの新年を持つことは非常にパワフルな習慣になります。
実践テクニックとしてまず取り組みたいのが、ソーラーリターン図の作成と自己分析です。アストロディーンスト(Astro.com)などでソーラーリターン図を作成したら、太陽が入っているハウスのテーマを「今年のメインテーマ」として書き出しましょう。たとえば太陽が6ハウスに入っていれば「健康管理と仕事の効率化」、10ハウスなら「キャリアの飛躍」がテーマになります。
次に、ソーラーリターンのアセンダントのサインから「今年の自分の見せ方・姿勢」を読み取ります。アセンダントが牡羊座なら積極的にリーダーシップを取る年、天秤座なら協調性やパートナーシップがカギになる年と解釈できます。
これらを踏まえて、ソーラーリターンの日に「今年の3つの目標」をノートに書き留める習慣を作ってみてください。ソーラーリターン図という客観的な指標をもとにした目標設定は、漠然とした抱負よりも格段に具体的で実行力のあるものになるはずです。
ソーラーリターンと他のリターン図との違い|サターンリターン・ジュピターリターンとの比較
リターン図とは?占星術における「回帰」の基本概念
占星術における「リターン図」とは、特定の天体が出生時とまったく同じ位置(同じサイン・同じ度数)に戻ってきた瞬間のホロスコープのことです。太陽回帰図であるソーラーリターンチャートはその代表例ですが、実は太陽以外の天体にもリターン図は存在します。
それぞれの天体は公転周期が異なるため、リターンが起こる頻度もまったく違います。太陽は約1年、木星は約12年、土星は約29年で黄道を一周します。つまり、天体の公転周期が長いほど「人生の中で数回しか経験しない、重みのあるイベント」として位置づけられるのです。この周期の違いを理解しておくと、ソーラーリターンとはどのような位置づけのリターン図なのかが、より明確に見えてきます。
ソーラーリターン・ジュピターリターン・サターンリターンの比較
3つのリターン図は、周期だけでなく「読み取るテーマ」が大きく異なります。
まず、ソーラーリターン(太陽回帰)は毎年訪れるため、「その1年間の日常生活の傾向やテーマ」を示します。仕事が忙しくなる年なのか、恋愛にスポットライトが当たる年なのかなど、年単位の運勢を具体的に把握するのに最適です。
次に、ジュピターリターン(木星回帰)は約12年に一度。木星は「拡大と幸運」を司る天体であるため、人生に訪れる幸運期や成長のチャンスを示します。12歳・24歳・36歳・48歳といった節目で経験し、「社会的な飛躍のタイミング」として注目されます。
そして、サターンリターン(土星回帰)は約29年に一度という長い周期で訪れます。土星は「試練と成熟」の星であり、29歳前後・58歳前後に訪れるサターンリターンは「人生の大きな転換点」として占星術では非常に重視されます。特に最初のサターンリターン(29歳前後)は、転職・結婚・独立など人生を根本から見直すような出来事と重なることが多いのが特徴です。
まとめると、ソーラーリターンが「毎年の天気予報」、ジュピターリターンが「12年に一度の追い風」、サターンリターンが「人生の卒業試験」のようなイメージです。
ソーラーリターン図をトランジット・プログレスと組み合わせて読む方法
ソーラーリターン図は単体でも十分に有用ですが、トランジット(経過図)やプログレス(進行図)と併用すると、運勢の読み解きの精度が格段に上がります。
具体的な活用法としては、まずプログレスで「人生全体の大きな流れ」を確認します。たとえば、プログレスの月が7ハウスを運行していれば、その数年間は対人関係やパートナーシップがテーマになります。次に、その年のソーラーリターン図でハウスや天体配置を確認し、「その年の具体的な展開」を読み取ります。さらに、トランジットで月単位・週単位のタイミングを特定すれば、「いつ動くべきか」まで絞り込めるのです。
たとえば、プログレスでキャリアの転換期を迎えている人が、ソーラーリターン図で10ハウス(社会的地位)に天体が集中し、さらにトランジットの木星が10ハウスを通過するタイミングがあれば、まさにそこが転職や独立のベストタイミングと読むことができます。
このように、太陽回帰ホロスコープを他の技法と重ね合わせることで、「大きな流れ」「年間テーマ」「具体的な時期」という三層構造で運勢を立体的に把握できるようになります。初心者の方はまずソーラーリターン図の読み方に慣れてから、少しずつトランジットやプログレスとの併用に挑戦してみてください。

